ごあいさつ
ご 挨 拶
埼玉県私学文化祭
会 長 渡辺 聡
歴史ある私学文化祭が 52 回目を迎え、無事に開催されることを大変喜ばしく思います。
「生きるとは、自分の物語を作ること」とういう至言がありますが、生きることはみずから学ぶこと、自分を表現すること、という言い方もできると思います。古来、人間はおのずから「表現」することに価値を見出し、喜びを感じてきたのではないか。このことは、民俗学の知見がなくとも容易に想像できることでしょう。
私学文化祭は、これまでもたくさんの教訓と豊かな感情を私たちにもたらしてくれました。準備の大切さ、細部の大切さ、暗闇にも光があること、諦めないこと、自分を知ること、相手を称えること、喜びを分かち合うこと。文化は時間と手間の積み重ねです。社会が便利になって、時間と手間をかける体験が減りましたが、物事ができあがるまでのプロセスに想像力がないと、物事に対する敬意が出てきません。早いとか、手間がかからないとかいったことだけが安易に優位な世界はとても貧弱で、創造性、多様性に富んだものとはいえないでしょう。今年度の文化祭のテーマは「芽生え『創造の息吹』」想像力は創造力につながります。皆さんは、時間と手間をかけて「創造力」を育てる絶好の機会を得たと思います。さあ、生徒の皆さん、幕は上がりました。練習、制作に集中できる環境と幸運に感謝をしながら、自分たちの持てる力を振り絞り、精一杯「表現」してください。そして、私学文化祭ファンの皆様。まるで修行僧のように険しい表情で、練習、制作に打ち込む生徒を見かけましたら温かいお声掛けを、素晴らしい演技と作品に熱いご声援を、どうか願いいたします。最後になりますが、文化祭開催に向けてご尽力くださいました全ての関係者の皆様に心から感謝申し上げます。これからも部活動などで頑張っている生徒たちが、自分たちの活動に自信と誇りが持てるよう、ご指導とご支援を賜りたいと存じます。
開催に寄せて
NPO 法人 埼玉県私立学校芸術文化連盟 代表理事
清水 啓一郎(城西大学付属川越高等学校)
おかげさまで、私学文化祭は私学協会より NPO 法人埼玉県私立学校芸術文化連盟が引継ぎ4年目を迎えることができました。運営側も準備が板に付き、年を追うごとに良い会になっていると感じています。今日こうして無事に52回目を開催できるのも、文化活動を愛する生徒の皆さんの情熱とそれを支えたいと願う先生方の献身によるものです。ご来場の皆様、熱い想いを作品にのせ持ち寄ってくれた参加者諸君、愛情と理解を持ってそれを支えられたご家族の皆様、法人立ち上げから今日に至るまでご尽力くださった皆様、一般社団法人埼玉県私立中学高等学校協会、ウェスタ川越、川越市やまぶき会館、埼玉会館、開催にあたりご寄付をくださった皆様、私学文化祭をお気にかけてくださった皆様、関わるすべての方々に心より感謝申し上げます。
さて、今年も待ち侘びた私学文化祭がいよいよ始まります。参加者一人ひとりが大切に作り上げた作品を、どうぞゆっくりとご鑑賞ください。
【祝】第52回(2024年度)私学文化祭
運営委員長 岩瀨 大悟(花咲徳栄高等学校)
第52回私学文化祭が盛大に開催できますことを心よりお慶び申し上げます。
今回も多くの先生方の協力と生徒の皆さんの想いが形となって、鑑賞される人達に大きな感動を与えてくれることでしょう。それぞれの作品に込められた完成に至るまでの苦労や喜び、想いの強さと個性溢れる芸術性を最後までご堪能いただければ幸いです。
参加される生徒の皆さん、これまで積み重ねてきた努力を自信に変え、活動を支えて下さった方々への感謝の気持ちを忘れずに、発表をして頂ければ幸いです。
今回は、埼玉会館にて開催される作品展を始めとし、やまぶき会館で行われる芸能祭、ウェスタ川越(箏曲・吹奏楽・合唱)とやまぶき会館(軽音楽)の2会場で行われる音楽祭へと続いていきます。どの部門も一般公開をしておりますので、自身が所属をする部門の枠を超えて、普段はあまり接する機会の少ない他部門の作品を鑑賞できることも、私学文化祭の良いところです。お時間の許す可能な範囲で、多くの作品を味わって頂ければと思います。
結びに、日頃の生徒の活動を支えてくださる皆様、ご来場くださいました皆様、また運営に携わって下さっている各校の先生方や各会場のスタッフの方々に、この場をお借りして感謝を申し上げます。第52回私学文化祭のためにご尽力頂きまして、誠にありがとうございます。
私学文化祭芸能祭 開催にあたって
芸能祭委員長 佐竹 純一(正智深谷高等学校)
今夏、劇団椿組の東京新宿で行われた花園神社の野外劇を見ました。劇団椿組は俳優の外波山文明さんの劇団で、毎年夏に花園神社の境内に特設舞台を設置し、野外劇が行われています。真夏の新宿で毎夜 7時から行われる劇は、私をいつも非日常の空間に連れていってくれます。「芸能」の一つの効能として、現実からの解放ということがあげられると思います。演者は日常とは違った役を演じることで、観客は非日常な空間を疑似体験することで現実から解放され、カタルシスを得るのかも知れません。しかし、残念なことに俳優さんやスタッフの高齢化、また高所作業の法令遵守厳格化などの問題があり、三十年近く続いたこの野外劇も今年で終了するのだそうです。
何か一つのことを続けることでそれが伝統となります。しかし、伝統も時代の流れとともに変化したり終わりを迎えることもあります。そんな中で大切なことは「そこにいる」人々が、今を大切に一つの舞台を作り上げ、そこで見えない何か(達成感や仲間との一体感などという言葉で言い表せるかもしれません)を得ることなのではないかと思います。なくなっていくものもありますが、新しく生まれるものもあると思います。ぜひ、皆さんの若い力で新しい文化を創造してもらえればと思っています。
第 52 回私学文化祭によせて
作品展委員長 森 園之 (西武台高等学校)
第 52 回私学文化祭にご来場いただき、誠にありがとうございます。諸事情により美術,書道,写真,研究発表,生活文化の 5 部門が一堂に会したのは 6 年ぶりで、令和になり初めての文化祭です。ここに至るまでに、多くの方々のご尽力があったことを、この場をお借り して感謝申し上げます。
話は変わりますが、私は美術部の顧問を 35 年ほど務めております。ここ近年、デジタル機器を使った創作活動が急増中です。絵画は鉛筆と筆を使って行うのが当たり前だった時 代を想えば夢のような話ですね。しかし、紙面が画面に代わっても一心不乱に描いている姿に今とか昔とかはありません。今年も素敵な作品がたくさん展示されました。若い創作家・芸術家・研究者の卵たちが放つ可能性豊かな才能に何かを感じ、暖かい気持ちになっていただくことできれば、これに勝る喜びはありません。どうかゆっくりとご覧ください。
第 52 回私学文化祭音楽祭に寄せて
音楽祭委員長 笛木 みゆき
第 52 回私学文化祭の開催、誠におめでとうございます。50 回以上も続いているイベントであることはとても素晴らしいことであり、これまで運営にご尽力をいただきました先生方に、心より感謝申し上げます。また、私もその私学文化祭の運営に携ることができ、とても嬉しく思っております。さて、ここ数年はコロナ禍の影響もあり、音楽活動の制限や規模の縮小、存続が困難になった部活動もあるかと思います。しかし、コロナが落ち着いた今、また、新たに活動できるようになったところもあるでしょう。だからこそ、音楽祭を通じて集えることに喜びを感じております。年に 1 度、他校と交流できるたいへん良い機会です。音楽でつながったたくさんのご縁を大切にして、本日の音楽祭を楽しんでいただければと思います。
最後に、私学文化祭の開催に向けてご協力いただきました皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。